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くものわくころ
雲のわくころ
小川 未明
「小学六年生 5巻6号」1952(昭和27)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,198 字 · 11 页
「パチンコとか、富くじとか、みんな、ばくちみたいなものだからな。悪いことというものは、だれでも、おもしろがって、まねするもんだ。都会で、これがはやってもうかると聞くと、すぐ、いなかでもやりだす。ここへくるまでに、たくさん、いなかの子供を見たろう。ちょっと、ようすが、いなかの子とは思えまい。いいこと、わるいこと、なんでも都会のふうをまねる、おそろしいことだよ。」と、おじさんはいいました。
そういえば、昔の絵にかかれた、さびしそうな景色や、笠や手ぬぐいをかぶって働く百姓の姿や、みじかいつつそでの着物をきて、ぞうりや、げたをはいた子供などは、どこにも見られなかったのでした。
「さあ、このへんから、川原へはいるのだが、石ころがあってあぶないから、よく気をつけておいで。」と、おじさんは、先になって、ささやぶの間をわけてすすみました。
勇吉は、そのあとからついていきました。しばらくすると、きゅうに流れが音をたてている谷川のほとりに出ました。バスの窓から下に見えたのは、この川だったのです。
「あのあたりが、いいだろう。」と、おじさんが指さした、半分浅瀬にのめり出ている大きな石の上で、二人は、休むことにしました。