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でんきかんばんのしんけい
電気看板の神経
海野 十三
「新青年」博文館、1930(昭和5)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,480 字 · 29 页
きっと、あいつだ」
「なにを寝言みたいなことを言ってんのよ。早くおきかせなさいな、けさがた、あんたの見たということを……もしかしたら、オーさんは、けさがた此処の家へ……」
「あの電気看板は、早く壊してしまうがいいぞ。おい、すうちゃん、あの電気看板はいつも桃色の線でカフェ・ネオンという文字を画いている。あれは普通の仁丹広告塔のように、点いたり消えたり出来ない式のネオン・サインなのだ。そしてあの電気看板は毎晩、あのようにして点けっぱなしになっている。僕んちはここから十三丁も離れているが、高台に在るせいか、家の屋上からあのネオン・サインがよく見える。それは朱色の入墨のように、無気味で、ちっとも動かない。また動くわけがないのだ、それだのに、けさ方、二時二十分にあの電気看板が、ほんの一秒間ほどパッと消えちまったのだ。そのあとは又元のように点いていたが……。停電なら、外に点っている沢山の電燈も一緒に消えるはずじゃないか。ところが、パッと消えたのはここの電気看板だけさ。二時二十分にふみちゃんが殺される。電気看板がビクリと瞬く――気味がわるいじゃないか。僕は、はっきり言う。