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あおだけ

青竹

山本 周五郎

「ますらお」大陸講談社、1942(昭和17)年9月

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 14,622 字 · 29 页

青空文庫

三

直政はことに自分がめをかけていた者のことなので、すぐに老臣たちを集めて評議をした。その結果は、なおいちど源七郎によく事実をたしかめたうえ、まさしく相違なしときまったなら恩賞をつかわすがよかろうということになった。

三

その日、佐和山城の大書院へよびだされた余吾源七郎は、しゅくん直政をはじめ老臣ぜんぶの顔がそろっているのをみて審しそうにした、なにがはじまるのかまるで見当がつかないようすだった。審問にあたったのは根本玄蕃だった、源七郎は初めてああそのことかとわかったので、阿多盛淳を討ちとめた事実をあっさりと認めた。「たしかにそのほうが討ち取ったのだな、些かでもうろんがあってはならんぞ、たしかにそうか」「いかにもたしかにわたくしが討ちとめたに相違ございません」そう答える源七郎の眉にはいささかのまぎれもみえなかった。玄蕃はさらにつづけて、「それではたずねるが、関ヶ原合戦のおり豊後を討ったのは自分だとなぜ名乗って出なかったのか、いかなる仔細で今日まで秘していたのかそれを申せ」「かくべつ仔細とてもございません、そう致すつもりがなかったので、しぜんとそのままになっただけでございます」