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ふうりゅう
風流
「新潮 第四八巻第十三号」1951(昭和26)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,419 字 · 19 页
風流人士はこのすみやかな復興を民族の誇りと見るらしいが、この大いなる惨禍の代償として、最もカンタンな方法で一番手近かな昔へ戻る術と心境――実に無碍の心境を持ち合わせていたということ、そして、その術と心境と手腕を遺憾なく発揮したということは、人間の力を感じさせるよりも蟻族の本能と作業を思わせ、しかもこの蟻族はその慾念や処世の妙策智略にかけてだけは人間であった。妙策智略にかけては三国志も劣らないが、道徳的には最低線上のものでもあった。
そして、それが、すべて、風流の産物であり、申し子であったのである。
与えられたいかなる物にも間に合せることができるが、与えられずに自分が作るとすれば、一番手軽なもので間に合せて満ち足り、そして、間に合うこと全て風流の本義に発し、本義にかない、より複雑なものに間に合せることが特に何ほどの深い風流にかなう意味もないという、実に無碍な心境の所産でもあった。
「いかなる大戦争も、原子バクダンも、水素バクダンも、今のところ、この風流をねじふせる見込みはとても望みがないだろう」
書斎の観測などは、実世間を相距ること、月とスッポンよりも距りがあるものだ、と観念せざるを得なかったのである。