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めしまつま
飯待つ間
正岡 子規
正岡子規『飯待つ間』。同一底本的分册已合并为一书。收入:飯待つ間、犬、画、句合の月、九月十四日の朝、くだもの、ランプの影、熊手と提灯、徒歩旅行を読む、病牀苦語、車上の春光、煩悶、初夢、夢、病、墓、酒、権助の恋、恋。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,525 字 · 126 页
この短い土筆は、始めのうち取ったので秉さんに笑われたのである、この長い土筆は帰りがけに急いで取ったので、まだそこにはいくらでも残って居た、この土筆は少し延び過ぎて居る、土筆取りには籠を持って行くがよい、残った土筆は誰か取りに行けばよい、こんなに節の長い土筆なら、袴を取るというても誠に世話がない、などとかつ袴をむぎかつ独りごちながら、何となく愉快そうな調子で居る彼を見ると、平生の不愛嬌には似もつかぬ如何にも嬉しそうに見えるので、それを病床から見て居る予は更に嬉しく感じた。
家を出でて土筆摘むのも何年目
病床を三里離れて土筆取
それから更に嬉しかったことは、その次の日曜日にまた碧梧桐が家族と共に向島の花見に行くというので、母が共に行かれたことである。花盛りの休日、向島の雑鬧は思いやられるので、母の上は考えて見ると心配にならんでもなかったが、夕刻には恙なく帰られたので、予は嬉しくて堪らなかった。
たらちねの花見の留守や時計見る
内の者の遊山も二年越しに出来たので、予に取っても病苦の中のせめてもの慰みであった。彼らの楽みは即ち予の楽みである。
○二、三年前に不折が使い古しの絵具を貰って、寝て居りながら枕元にある活花盆栽などの写生ということを始めてから、この写生が面白くて堪らないようになった。