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ろじんさん
魯迅さん
内山 完造
「図書」岩波書店、1955(昭和30)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,269 字 · 17 页
彼は今無くて困っている。わたしは今、金があるから、それをやる。彼はお金をもっていって警察にとりあげられ、だまされたということを知るだろう。それでいいじゃないかというのです。偉大なる教育者と思いましたネ。
いつでも家庭は苦しいんです。そして、人に金を貸せとは断じていわない人でした。中国人でも日本人でも、魯迅は内山というパトロンがなかったら、ああ活動はできなかったに違いないという。しかしぼくは金銭上において魯迅さんを助けたことは一度もないのです。それが魯迅さんのほんとに偉らいところですネ。
魯迅さんは日本の本をたくさん買った。何を買ったか一々おぼえていないが、一つ面白いと思って忘れられないのは、川柳全集を買っていることです。自分ではよくわからんとはいっていたけれども、大よそわかったらしい。川柳全集を買ってから、こういうことをいっていた。日本人は漢詩を作らんがいいね、それはわたしに川柳を作れ、俳句を作れといわれても駄目なのと同じことだよ。日本人は漢詩を作るのはやめたらいいね。それからバーナードショウに会ったときに、魯迅さんはこういうことをいった。バーナードショウのことを、中国人でも日本人でも皮肉家だというが、あれは皮肉家ではない。