轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たそがれのこくはく
黄昏の告白
浜尾 四郎
「新青年」博文館、1929(昭和4)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,453 字 · 41 页
そうだ、この苦悶から逃れる方法は、ただ蓉子を殺すより他にはない。そうして自分も死ぬことだ、とこう思って僕は、ただそればかりを考えて、押入れからかつて僕が外国にいた友から贈られたピストルを取り出して、弾丸を調べはじめたのだ。
山本、君は人を殺すということがいかに難しいことか、少しでも考えてみたことがあるか。あらかじめ計って人殺しをするということは悪魔でない限りできるものではない。僕はあの夜あれだけの決心を堅め――おまけにその決心までくるのに二年余もかかったんだが、その深みある決心にもかかわらず、僕がピストルを手にとった時、すでにその決心がにぶりはじめたのだ。
今でなくてもいい。あしただっていい。こう考えて僕はピストルをおいた。そうしてしばらく悶えたが、やはりピストルを手にとることができず、それを枕元においたまま床に入ってしまったんだ。
非常に亢奮した後には非常な疲労がくる。夜半の一時頃に僕はすっかり疲れ切って眠入ってしまった。どのくらい眠入ったかおぼえはないが、不意にささやきのような声がきこえる。なかば起き上った時、隣室から明かに男の声がきこえた。