轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页
ねえ、支倉君、これは、けだし一般的な法則じゃあるまいと思うよ」
「では、とりあえず君の評価を承ろうかね」と熊城が割って入ると、法水の眼に異常な光輝が現われた。
「それが、まさに悪夢なんだ。怖ろしい神秘じゃないか。どうして、散文的に解る問題なもんか」と一旦は狂熱的な口調だったのが、しだいに落着いてきて、「ところで、最初易介が、すでにこの世の人でないとしてだ――勿論何秒か後には、その厳然たる事実が判るだろうと思うが、さてそうなると、家族全部の数に一つの負数が剰ってしまうのだ。で、最初は四人の家族だが、演奏を終ってすぐ礼拝堂を出たにしても、それから鐘楼へ来るまでの時間に余裕がない。また、真斎はあらゆる点で除外されていい。すると、残ったのは伸子と久我鎮子になるけれども、一方、鐘鳴器の音がパタリと止んだのではなく、しだいに弱くなっていった点を考えると、あの二人がともに鐘楼にいたという想像は、全然当らないと思う、勿論その演奏者に、何か異常な出来事が起ったには違いないけれども、その矢先、讃詠の最後に聞えた一節が、微かながら倍音を発したのだ。云うまでもなく、鐘鳴器の理論上倍音は絶対に不可能なんだよ。