轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页
無論僕等に対する挑戦の意味もあるだろうが」
「莫迦な」熊城は憤懣の気を罩めて叫んだ。「口を塞ぐよりも針を立てよ――じゃないか。見え透いた犯人の自衛策なんだ。易介が共犯者であるということは、もうすでに決定的だよ。これがダンネベルグ事件の結論なんだ」
「どうして、ハプスブルグ家の宮廷陰謀じゃあるまいし」と法水は再び、直観的な捜査局長を嘲った。
「共犯者を使って毒殺を企てるような犯人なら、既に今頃、君は調書の口述をしていられるぜ」
それから廊下の方へ歩み出しながら、
「さて、これから鐘楼で、僕の紛当りを見ることにしよう」
そこへ、硝子の破片がある附近の調査を終って、私服の一人が見取図を持って来たが、法水は、その図で何やら包んであるらしい硬い手触りに触れたのみで、すぐ衣嚢に収め鐘楼に赴いた。二段に屈折した階段を上りきると、そこはほぼ半円になった鍵形の廊下になっていて、中央と左右に三つの扉があった。熊城も検事も悲壮に緊張していて、罠の奥にうずくまっているかもしれない、異形な超人の姿を想像しては息を窒めた。ところが、やがて右端の扉が開かれると、熊城は何を見たのか、ドドドッと右手に走り寄った。