轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

そして、上下両端の一番鮮かだった――つまり云い換えれば、水滴の量の最も多い部分を、基準としての話だったのだったからね。……そこで、僕が+-と呼ぶ詭計を再現できるんだよ。で、それはほかでもなく、スリッパの下にもう二つのスリッパを仰向けに附けて、またその二つのスリッパを、互い違いに組み合わせるのだ。そして、それに扉を開いた水をタップリ含ませてから、最初に後の方の覆を、強く踵で踏む。すると、覆の中央に、やや小さい円形の力が落ちることになるから、当然その圧し出された水が、上向き括弧())の形になるじゃないか。また、次に前のあの覆を前踵部で踏むと、今度はそこの形が馬蹄形をしているので、中央より両端に近い方の水が強く飛び出して、それが下向き括弧(()の形になってしまうのだ。そして、その上下二様の括弧形をした水の跡を、左右交互に案配していったのだよ。つまり犯人は、あらかじめ常人の三倍もある、人形の足型を計っておいた。そうしてから、歩幅をそれに符合させていったので、当然その二つの括弧に挾まれた中間が、人形の足型を髣髴とする形に変ってしまったのだ。したがって、そのスリッパの全長が、ヨチヨチ歩く人形の歩幅に等しくなって、そこで、陽画と陰画のすべてが逆転してしまったという訳なんだよ」