轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

「新青年」博文館、1934(昭和9)年4月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 页

青空文庫

一つは、黙示図に現われている自然界の薄気味悪い姿で、その次は、未だに知られていない半葉を中心とする、死者の世界なんだ。それから三つ目が、既往の三度にわたる変死事件。そして最後が、ファウストの呪文を軸に発展しようとする、犯人の現実行動なんだよ」と、そこでしばらく言を切っていたが、やがて法水の暗い調子に明るい色が差して、「そうだ支倉君、君にこの事件の覚書を作ってもらいたいのだが。だいたいグリーン殺人事件がそうじゃないか。終り頃になってヴァンスが覚書を作ると、さしもの難事件が、それと同時に奇蹟的な解決を遂げてしまっている。しかし、あれはけっして、作者の窮策じゃない。ヴァン・ダインは、いかに因数を決定することが、切実な問題であるかを教えているんだ。だからさ。何より差し当っての急務というのが、それだ。因数だ――さしずめその幾つかを、このモヤモヤした疑問の中から摘出するにあるんだよ」

それから検事が覚書を作っている間に、法水は十五分ばかり室を出ていたが、間もなく、一人の私服と前後して戻って来た。その刑事は、館内の隅々までも捜索したにかかわらず、易介の発見がついに徒労に帰したという旨を報告した。