轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

服部之総『黒船前後・志士と経済他十六篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:黒船前後、志士と経済、空罎、加波山、咸臨丸その他、汽船が太平洋を横断するまで、黒田清隆の方針、黒船来航、新撰組、せいばい、尊攘戦略史、撥陵遠征隊、福沢諭吉、武鑑譜、望郷、蓮月焼、Moods cashey。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 页

青空文庫

もとよりこのことは彼が終世そうであったように当時から熱烈な「愛国者」であったことと矛盾しない。矛盾しないばかりか、彼の現実のいっさいの情熱はこの矛盾の統一という一事に向って、しかりあまりにインテリ的な非政治的な、それだけ機械的で空想的でロマンチックな統一のために、ひた押しに注がれた。慶応義塾の創立がそれである。教育によって日本人の頭を改造することから始めようというのが、幕末変革期の一切物に絶望した彼の悲壮なる結論であった。

鳥羽伏見に敗走した将軍慶喜東帰して、江戸城内外戦火を予期して沸騰するさなかから、芝新銭座に「慶応義塾」が産声をあげた。動乱最中とて地所も材料も労賃も馬鹿安にあがったとはいえ、出費はことごとく印税を蓄積した私財をもって成った。彼が一生その「権利」のために戦った「生命及び財産」のいっさいをあげて、明日は兵火に焼けるかもしれぬ一洋学道場の建設にあえて捧げたのである。この時はじめて彼は、昨日までの中津藩小吏としての、「翻訳職人」の旗本としての、投機的著訳業者としての、無力な灰色のインテリとしての、抑圧された久しき存在から解放され、信念に向って不拘束なるすべての瞬間が約束する愉悦と感激の人たりえた。