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くろふねぜんご
黒船前後・志士と経済他十六篇
服部 之総
服部之総『黒船前後・志士と経済他十六篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:黒船前後、志士と経済、空罎、加波山、咸臨丸その他、汽船が太平洋を横断するまで、黒田清隆の方針、黒船来航、新撰組、せいばい、尊攘戦略史、撥陵遠征隊、福沢諭吉、武鑑譜、望郷、蓮月焼、Moods cashey。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,901 字 · 247 页
五 続
これを見るうえで、試衛館一派の歴史は珍重なものといえるであろう。
天然理心流二代目近藤三助は武州多摩郡加住村の出、八王子を中心に多摩地方の農村富農の子弟を「武術」の上で組織した。二代目を継いだ近藤周助も多摩郡小山村の「農」。その養子となって三代目を、すでに道場は江戸へ移っていたが、継いだのが近藤勇で同郡調布上石原村の「農」の三男、勇の同門で盟友で幕下第一将たる土方歳三は同郡石田村の大百姓の末子である。道場は江戸にあっても、たえず多摩地方の農村青年の間に泊りがけで出稽古をする。試衛館何天王に数えられる沖田、山南、原田、井上、永倉らといった手合のうちに、白河、仙台、松山諸藩の脱藩士があるが、このやり方ですべて多摩地方の豪農地盤と多年密接に結びつけられてしまっている。
芹沢派清掃後の新撰組は、試衛館以来のこれら手足を意の任に動かして、近藤、土方、両名の完全な独裁が布かれた。以来、新撰組の離合集散出処進退は、この両名が代表する社会的地盤に照すことなしには理解されない。
五 続
近藤勇が、輝ける新撰組隊長として切り結んだ敵手と同じく――否それ以上にいつまでも――腹からの「尊攘」