轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

Sふじんへのてがみ

S夫人への手紙

岸田 国士

「時事新報」1948(昭和23)年4月1、2、3日、5月3、4、5日、6月18、19、20日、7月12、13、14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,921 字 · 30 页

青空文庫

つまり、おやじなるものを見る封建的な眼と、自然現象に対する東洋的な風流味とが混じり合つているところに、現在のわれわれをも遺憾ながらうなずかせるものがある」というぐあいにお答えしたと記憶しています。

まさか、われわれの意識された観念のなかで、地震のような恐るべき災害を生む自然現象を、単に「男性的暴威」などと言つて痛快がる気持は毛頭ありますまいが、それにも拘わらず、まだどこかに、日本人全体として、自分さえその難を逃れさえすれば、地震ぐらいとタカをくゝるような気風がないとは言えません。たとえば、地震の予知という問題がしばしば興味的に取扱われたり、地震という声におびえるものをひそかにチヨウ笑したりするのはその証拠です。

地震の予知は学問の上では大切な研究でしよう。しかし、たとえそれが正確に予知されたとしても、これに対する備えを急にどうすることもできますまい。それよりも、何時どんな地震が起つても、災害をできるだけ少く食い止める平生の工夫と努力とが、個人的にというよりは、むしろ、社会的に、なぜもつと徹底的に行われないのでしよう? こんどの場あいでも、福井の停車場が一瞬にして半分つぶれてしまうというような事実は、これが政府の息のかゝつた公共の建物であるだけに、なんとしても、社会的に「人命を尊重する精神」