轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ジ アフェア オブ トゥー ウォッチイズ

The Affair of Two Watches

谷崎 潤一郎

「新思潮」1910(明治43)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,107 字 · 27 页

青空文庫

」

私がこう云うと、二人はドッと吹き出した。

「ワッハヽヽヽ。何しろ天下の滑稽だ。これは立派な小説になる。どうだい山崎、一つ書いて見たら。」

何でも事を仕出かしては「此れは小説になる。」と云うのが杉の十八番だ。原田は談文学に亙ると頗る不案内で、どんな顔を拵えていゝか解らずに居る。

「ジェローム・ケー・ジェロームにでも書かしたら面白いものが出来るね。先ず標題は Three Men ………」

と云いかけて、私が考えると、杉が即座に後をつける。

「With Two Watches さ。でなければ、Historian's History でもいゝ。ね、書いて何かへ出し給え、原稿料と云うものがあるからな。」

原稿料ときいて原田が手を挙げて突飛な声を出す。

「賛成! そりゃ好えぜエ、山崎さん。一つ書かんかな。時計事件もえゝが、何か斯う、何だな、女の事を書いたが好え。」

其れから暫く金儲けのような、文学談のような、而して人生観のような話が栄える。

「僕は死ぬのは嫌じゃないが、死んでから狭い棺桶の中へ体をちゞめて小さくなって居るのかと思うと、嫌で仕様がない。」

と、杉は凄い顔をして肩をつぼめて見せた。