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あたまでっかち
あたまでっかち
下村 千秋
「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页
が、むく犬はかえってあとしざりしながら、おん、おんとほえたてます。林太郎はそれをつかまえてやろうと思い、立ち上がっていきました。と、むく犬はこんどはむこうをむいてばらんばらんとにげだしました。あんまりきゅうにかけだしたので、前へのめってころんとひとつもんどりをうって、それからあわてておき上がり、またかけだしました。
子犬というものはみんなあたまでっかちなものですが、そのむく犬はわけてもでっかち頭に見えました。それできゅうにかけだしたりするとのめるのでしょう。林太郎はおかしくなって、
「やあい、でっかちあたまあ……」
と、どなってやりました。しかしそれは、自分が村の子どもらからしょっちゅういわれていることでした。林太郎はへんな気持になりました。そしてそのむく犬がとてもなつかしくなりました。自分のきょうだい分のような気がしてきました。
それから林太郎は、なんとかしてそのむく犬を手なずけようと考えました。口をとんがらしてへたな口笛をふいてみたり、なにかたべるものをくれるように見せかけたり、いっしょに遊ぼうというように道ばたの草の上にねころんで見せたりしました。