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あたまでっかち

あたまでっかち

下村 千秋

「赤い鳥」1935(昭和10)年2~4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,773 字 · 36 页

青空文庫

」

と、のび上がっていいました。

「おやおや。」

と、おばあさんもしろ公を見下ろして、

「林太郎のうちのかい?」

「ううん、さっき、ひとりであそんでいたから、おれの弟にしてやったんだよ。」

「それじゃ、野ら犬かな?」

「野ら犬であるもんか。しろ公というなまえがついてるんだもの。」

「あの犬が、自分でそういったのかい?」

「……うん、そういった……」

おばあさんは、

「ああ、そうかよ。」

と、それから声をあげて笑って、

「それじゃ、なにかたべさしてやろうかな。」

「うん。おれ、くわしてやるよ。」

やがて林太郎は、おばあさんが、ねこのおわんへもってくれた汁かけ飯をもって、土間へおりていきました。しろ公はよっぽどおなかがすいているとみえて、もうにげだすどころか、小さなしっぽをふりちぎりそうにうちふりながら、がつがつとくいつきました。

それから林太郎としろ公はすっかり仲よしになりました。しろ公はまったくの弟になったように、林太郎のいくところはどこへでもついてきました。林太郎はもう、ひとりぼっちになってしまったような気持を、きれいに忘れてしまいました。

林太郎はしろ公をつれて、母家のまわりをかけまわりました。