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あのよからたよりをするはなし

あの世から便りをする話

海野 十三

――座談会から――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,493 字 · 9 页

青空文庫

とにかく彼が行き着いたかどうか、探して見ようじゃないかという議が、吾々仲間に起ったのです。今度は人数が大分多くなって、十人ばかりの同志がその心霊研究会へ行って友達を呼び出して貰ったんです。

友達は出て来ました。が、少々怪しい友達が出て来た。いつもその友達から聞いていたんですが、霊媒を通じて出て来る細君は自分の細君と全く同じで、咳払いから、声の抑揚から、話振りから、笑い声から、何から何まですべて百パーセントに死んだ細君そっくりである。それで思わず霊媒と手を取り合うようなこともあったんだという話をしましたが、私が行った時には、稍々がさつな友人が出て来た。いろいろ話をしたんですが、結局どうもあの世に無事に行き着いたから安心して呉れろ、という極めて普通な話ばかり出るので、少し専門的な話をして見ようと思い、始めたところが「今少し頭が悪いから」というので刎ねられました(笑声)。

私はその友達から原稿を一つ預かっていました。それは雪の降る日に歌った新体詩でしたが、それを何処かへ世話して呉れと頼まれていたんです。「僕は君の原稿を預かって居るが、あれは何時出したら宜かろうか」