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いなか、の、じけん

いなか、の、じけん

夢野 久作

「探偵趣味」「猟奇」1927(昭和2)年7月~1930(昭和5)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,535 字 · 78 页

青空文庫

汽車の実力試験

二人とも揃って低能らしいので、誰も相手にしなくなっていたのだそうです」

と、その巡査の話。

汽車の実力試験

「この石を線路に置いたら、汽車が引っくり返るか返らないか」

「馬鹿な……それ位の石はハネ飛ばして行くにきまっとる」

「インニャ……引き割って行くじゃろうて……」

「論より証拠やってみい」

「よし来た」

間もなく来かかった列車は、轟然たる音響と共に、その石を粉砕して停車した。見物していた三人の青年は驚いて逃げ出した。

あくる朝三人が、村の床屋で落ち合ってこんな話をした。

「昨日は恐ろしかったな。あんまり大きな音がしたもんで、おらあ引っくり返ったかと思うたぞ」

「ナアニ。機関車は全部鉄造りじゃけにな。あんげな石ぐらい屁でもなかろ」

「しかし、引き砕いてから停まったのは何故じゃろか。車の歯でも欠けたと思ったんかな」

「ナアニ。人を轢いたと思ったんじゃろ」

こうした話を、頭を刈らせながらきいていた一人の男は、列車妨害の犯人捜索に来ていた刑事だったので、すぐに三人を本署へ引っぱって行った。

その中の一人は署長の前でふるえながらこう白状した。

「三人の中で石を置いたのは私で御座います。