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いわゆる「はんせい」はわれわれをすくうか
いわゆる「反省」は我々を救うか
岸田 国士
「知識人 第二巻第一号」1949(昭和24)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,229 字 · 15 页
の調子が出かゝつていはすまいかと危ぶまれるからである。
しかし、乗りかゝつた船だから、無理にも押し切ることにするが、若し私のそういう調子を発見したら、どうか読者諸君は、嗤わずにゆるしてほしい。私はそれについて徒らな弁解をする代りに、私を好個の例として、この問題をもつと聡明で冷静な頭脳の批判に委ねたいのである。これは決して「予防線」を張るわけではない。
そこで結論を急ぐことにするけれども、私は、「日本人の反省」が今後もつともつと続けられ、もつともつと鋭く深くなされることを希うものであるにも拘わらず、今日までのような「反省のしかた」では、それはなんの実も結ばぬような気がするばかりでなく、却つて、それは永久の「自慰」に類するものとなり、一方、本来の病状はますます悪化し、遂に救うべからざる致命的結果をもたらすであろうということを警告したいのである。
「反省」だけはするが、それ以外のことはほとんどなにもしないという精神のはたらきは、個人としては、なるほど、ある種の興味ある知的存在であり、場所によつて使い道もあろうけれども、国民の大多数、ことに、知識層にその傾向が根深く植えつけられている現象は、断じて民衆の幸福を約束するものではないと思う。