轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

「朝日新聞日曜版」 1967(昭和42)年1月8日~2月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,042 字 · 71 页

青空文庫

竹中啓吉はなにか特殊な用途の炭を焼くのだそうで、ひと晩だけ泊ると、すぐにまた山へ戻っていった。

「独りで留守番をしていて、淋しくもこわくもないの」

「初めはこわかったわ」とりつ子は答えて云った、「でもいまではもう慣れたから平気よ、淋しいことは淋しいけれど」

「そうだろうね」と隆二は頷いた、「お友達はいないの」

「ええ、あたし東京から来たでしょ、ここではよそから来た者は嫌われるの、言葉もよくはわからないし」りつ子は眼をそらしながら云った、「――それで小学校のときはよくからかわれて、泣いて帰ったことがあったわ」

けれども、それはここばかりではない。東京にいたとき、田舎から転校して来た生徒があると、「いなかっぺえ」といって、やっぱりみんなでからかったり、意地悪をしたりしたものだ。あたしは一度もそんなことはしなかったけれど、とりつ子は云った。ほんとよ、あたしはそんなこと決してしなかったわ、とりつ子はちからをこめて云った。

「そうだろうね」隆二はまた頷いた、「りっちゃんはそんな子じゃあないもの、云わなくったってぼくにはわかるよ」

そんな小さなとき、人間の心の中にはもう憎悪や敵意が芽生えるのか。