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おならさま
お奈良さま
「別冊小説新潮 第八巻第一〇号」1954(昭和29)年7月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,159 字 · 20 页
ために葬式が終ると春山家のお奈良さまに対する扱いは打って変って悪くなり、唐七は距てられてか姿を見せることが少くなった。そのあげくソメ子はお奈良さまにこう申し渡したのである。
「このたびの葬式では晴れがましくオナラを打ちあげて賑わして下さいまして、めでたく祝っていただきましたが、私はどういうものかお通夜や告別式はシミジミとした気分が好きなタチでしてね。初七日以後は私の流儀でシミジミとホトケをしのばせていただくことにいたしますから、読経の席ではオナラをつつしんで下さいませ。さもなければ他の坊さんに代っていただきますから」
手きびしくトドメをさした。しかし、言葉のトドメは彼の心臓を刺したけれども、例の戸締りにトドメのカンヌキをさすわけにいかなかった。そこで身にあまる歎賞の嵐のあとで、はからざる悲境に立つことになり、これが彼の命とりのガンとなった。
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お奈良さまの末ッ子に花子という中学校二年生があった。ところが春山唐七の長女を糸子と云って、花子とは同級生である。
春山糸子は理論と弁論に長じ、討論会の花形として小学時代から高名があった。小学校では新学年を迎えるに当って受持教師に変動がある。