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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
「遠州でなくても葬式は大概穴を掘って埋めるに相場の定ったもんさ」
と村田さんが弥次った。
「沢山仰有いよ。棺を埋めますと土が丁度一杯々々でございます。若し土が減らないなら棺桶丈けの分が余りそうなもんじゃございませんか?」
「おや/\、アルキミィジスの法則で論証するぜ」
と村田さんは無暗に口を出す。
「覚えていらっしゃいよ、人が知らないと思って病院の符牒なんか使って」
とお上さんは睨んだ。
「アルキミィジスは結構だが、前提が間違っている。何うしても減るという理窟がない」
と団さんは何処までも真面目だ。
「理窟のないことがあればこそ七不思議さ。困った男だね」
と三輪さんが言った。
「元来土から出た人間だから常に地面の下に棺桶だけの空虚が待っていると解釈したら何うだい? 土も減らなくて済むし、この不思議も宗教的色彩がついて生きて来る」
とお父さんが折衷説を出した。
「何うも旦那様方はお話が六かしくて迚も私にはお相手が出来ませんわ」
とお上さんは逃げ腰になった。全く朝からこんな閑人にかゝりあっていては商売にならないのだろう。
「まあ/\。そうお冠を曲げないで佐倉の池の説明をしてお呉れ。