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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

「名古屋言葉の特徴ですよ。おきゃあせ/\というものに、おきゃあせんもんだでそれ見ゃあせ」

と徳さんが低い声で唄いだした。

「労働賃銀も此処は他所より廉い。随って方々から工場を持ってくる。砲兵工廠の如きは東京からも大阪からも此処へ支庁を置いて現にこの間までは向い合って仕事をしていたよ。こんな具合で人口が益※(二の字点、1-2-22)殖えるもんだから、十里平方の都市計画も一概に無謀だとはいえないようだ」

「御賢兄も然ういう説だったね」

「御賢兄々々と言うなよ。僕が如何にも愚弟のように聞えるじゃないか」

と団さんは少々憤慨したが、又、

「名古屋人の勘定高いのはこれだけの大都会でいながらこの頃漸く電車賃の均一制が行われる様になった一事でも分る。以前は一区二銭で、最長限が三区だった。三区たっぷり乗る場合には文句もないが、二区半ぐらいの場合には二区で下りて残余の半区を歩くのが名古屋気質だから、五銭均一には極力反対したそうだよ。一区や半区乗って二区半払うという道理は迚も頭脳に描けないんだね」

「三銭なら均一でも我慢してやるという論が盛んでなも。浮か/\していると電車は焼打を食うところでしたよ。