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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
団さんの設計は例によって無駄がない。今度はナカ/\の長道中だ。それで一日々々家へ遠くなると三輪さんが思郷病になるかも知れないから、一応目的地へ驀進して、数泊後には一日一日と家へ近くなるという考案も入っている。
「この前は君達が物見高い顔をしていた所為か車屋と自動車屋に大分貪られたぜ。今度は兎に角余り田舎漢視されないように気をつけることだよ」
と団さんは何かの序に注意した。
「中国や九州へ来て田舎漢扱いをされる次第もなかろうじゃないか?」
とお父さんは服さなかった。
「否、それがナカ/\然うじゃないんだよ。住めば都だからね。中国でも九州でも皆自分のところが世界の中心だと思っている。彼処に田の草を取っている百姓でも太陽は毎朝自分の家の背戸を照らす為めに東から昇ると信じているぜ」
「そうして晩酌をやるように西に没して呉れると君は信じているんだろう」
と三輪さんは今しがたの竹箆返しをした。
「然うさ。自分の家内ばかりが女だと信じている人もある。兎に角自分の周囲が世界の中心なんだから、他所の人は中央の消息に通じない田舎漢さ。例えば下関で大阪屋を知らないと言って見給え、撲られないまでも文明人としては扱われないよ」