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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页

青空文庫

戸締りの依頼は事務関係で第一の問題さ。第二から第一へ移らないと順当らしくないかね? 何うも君達はその通り頭脳が杜撰だから危いよ。そこで友情として迚も黙って見ていられないから、僕は万障繰り合せて君達を引き廻してやることに定めて来た。お礼を言い給え」

と団さんは相変らず理窟っぽい。

「それは有難い。それさえ聞けば戸締りの方は又今度でも宜い」

「否、お供をするとなると片付けて置かなければならない仕事があるから、もうそう度々は来られない。今日序に見てやろう。しかし君のように絶対に泥棒の入れないようにという註文は無理だぜ。日本家屋は入ろうと思えば素人にでも結構入れるのだから、まず泥棒を誘惑しないぐらいの程度にしか出来ない」

「君に似合わない消極的なことを言うね。建築を商売にしている人に完全な戸締りが出来なくちゃ仕方がないじゃないか?」

「実は戸締りのことではこの間赤っ恥をかいたんだよ。以前大臣をしていた人が洋行するので、僕に屋敷の用心のことを相談した。僕はその人の考案も多少参酌して、要所々々を可なり厳重に固めてやったが、財政家だけに頗る念入りの男でね、自分で方々をコチ/\試めして見た末、『君、誰か泥棒の心得のあるものを一人紹介して貰えまいかね』