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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
「主婦之友」主婦之友社、1922(大正11)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 页
が認めてある。
「団君、今川義元も君のように他人のもので間に合せているよ。鞭声粛々は昔から流行ったものと見えるね」
とお父さんが冷かした。
「専門家は建築屋に限らず忙しくて文学なんかやっている暇がないのさ」
と団さんは今川公の弁護をした。
古道具が済んでから義元公の墓へ来た。昨日の久能山の家康公の神廟に較べると全然お話にならない。辻堂のような粗末なものがある丈けで、石塔は一向見えなかった。
「車屋さん、この軍人は駿河の人だろうね?」
と三輪さんが訊いた。
「はい、今川義元公は静岡県人であります」
と例の兵隊上りが答えた。
「道理で成功しなかったんだね。仙夢さんの説はナカ/\事実を穿っている」
「今川焼は兎に角この寺の建築が気に入ったね。狭い地面を最も有効に利用してあるところが多少参考になる。地盤は殆ど岩らしい。それで大岩というのだろう。庭の石段なんかは岩にその儘刻みつけたもんだ。それからこの石段を見給え。古いもんだが、寸分の狂いも出ていない。君達のような明盲目にも分るだろう?」
と団さんは酷いことを言う。
間もなく僕達は浅間神社へ引き返して、賤機山公園へ登った。