轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それから

それから

夏目 漱石

代助醒来时,脑海里悬着一块木板,随脚步声消失。他总在半夜按着胸口数心跳,思考这跳动的生命到底意味着什么。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 页

青空文庫

「心臓の方は、まだすっかり善くないんですか」と代助は気の毒そうな顔で尋ねた。

「すっかり善くなるなんて、生涯駄目ですわ」

意味の絶望な程、三千代の言葉は沈んでいなかった。繊い指を反して穿めている指環を見た。それから、手帛を丸めて、又袂へ入れた。代助は眼を俯せた女の額の、髪に連なる所を眺めていた。

すると、三千代は急に思い出した様に、この間の小切手の礼を述べ出した。その時何だか少し頬を赤くした様に思われた。視感の鋭敏な代助にはそれが善く分った。彼はそれを、貸借に関した羞耻の血潮とのみ解釈した。そこで話をすぐ他所へ外した。

先刻三千代が提げて這入て来た百合の花が、依然として洋卓の上に載っている。甘たるい強い香が二人の間に立ちつつあった。代助はこの重苦しい刺激を鼻の先に置くに堪えなかった。けれども無断で、取り除ける程、三千代に対して思い切った振舞が出来なかった。

「この花はどうしたんです。買て来たんですか」と聞いた。三千代は黙って首肯いた。そうして、

「好い香でしょう」と云って、自分の鼻を、弁の傍まで持って来て、ふんと嗅いで見せた。代助は思わず足を真直に踏ん張って、身を後の方へ反らした。