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だだらだんべえ
だだら団兵衛
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1932(昭和7)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,271 字 · 25 页
三
云われて高虎、しばらく池田光政の面を瞠めていたが、やがて呻った。
「うーん、しまった、計られた!」
光政は澄まして、
「蝦で鯛、蝦で鯛」
と呟いていた。
三
鳥取へ帰藩のうえ手打にいたす、もし供があれば供を召連れてよろしい。
そういう仰付けであった、妙な話だが考えることもあるので、弥九郎を伴ってだだら団兵衛は、光政とともに津を去った。
鳥取へ着くと、すぐにお手打かと待っているがなかなかそのことがない、その内にお邸をたまわって、
「今年中は祖先の年忌に当るゆえ、手打は明年まで延期いたす、その間出仕せよ」
というお達が出た。
年が明けるとふたたび都合により延期、それからまた延期、その間に津では高虎が逝去したりして、ついに四年いる。寛永九年、池田光政は封を備前に移されて岡山の城主となった。
岡山に移ると間もなく団兵衛に、
「このたび、御移封により思召をもって、二百石新規御召出し仰付らる!」
というお達が出た。団兵衛は即座に、
「拙者二君に仕えること思いもよらず、万一にもお手打なき節は津へ帰ります!」
と強硬にはねつけた。
「しかし、私はそのほうを高虎公から貰い受けて来たのだ、帰ると申しても、当の高虎公が他界されていてはしかたがあるまい?」