轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
谷崎潤一郎『ちくま日本文学014 谷崎潤一郎』。同一底本的分册已合并为一书。收入:春琴抄、吉野葛。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 页
鶯を養成しこれを再び天鼓と名づけて愛翫した「二代目の天鼓もまたその声霊妙にして迦陵頻迦を欺きければ日夕籠を座右に置きて鍾愛すること大方ならず、常に門弟等をしてこの鳥の啼く音に耳を傾けしめ、しかる後に諭して曰く、汝等天鼓の唄うを聴け、元来は名もなき鳥の雛なれども幼少より練磨の功空しからずしてその声の美なること全く野生の鶯と異れり、人あるいは云わん、かくのごときは人工の美にして天然の美にあらず、谷深き山路に春を訪ね花を探りて歩く時流れを隔つる霞の奥に思いも寄らず啼き出でたる藪鶯の声の風雅なるに如かずと、しかれども妾は左様には思わず、藪鶯は時と所を得て始めて雅致あるように聞ゆるなり、その声を論ずれば未だ美なりと云う可からず、これに反して天鼓のごとき名鳥の囀るを聞けば、居ながらにして幽邃閑寂なる山峡の風趣を偲び、渓流の響の潺湲たるも尾の上の桜の靉靆たるもことごとく心眼心耳に浮び来り、花も霞もその声の裡に備わりて身は紅塵万丈の都門にあるを忘るべし、これ技工をもって天然の風景とその徳を争うものなり音曲の秘訣もここに在りと。また鈍根の子弟を恥じしめて、小禽といえども芸道の秘事を解するにあらずや汝人間に生れながら鳥類にも劣れりと叱する