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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

そう思うと司法主任は、いよいよじりじりしはじめた。

――いったい狂人の気持として、こんな場合、隠れるだろうか? いや、もし隠れるとしたら、いったいどんなところへ隠れるだろうか?……そうだ、こいつァ一寸専門家でなくては判らない。

正午になっても吉報がないと、主任は決心して立上った。そして本部を市内の警察署に移し、留守を署長に預けると、赤沢病院とは反対側の郊外にある、市立の精神病院へやって来た。

乞に応じて院長の松永博士は、直ぐに会ってくれた。

「ひどいことをやったもんですね」

もうどこからか聞込んだと見えて、赭顔の人の好さそうな松永博士はそう云って主任へ椅子をすすめた。

「実はそのことで、早速ですがお願いに上りました」

「まだ、三人とも捕まらないんですか?」

「捕まりません」司法主任は苦り切って早速切りだした。「先生。いったい気狂いなぞ、こんな場合、隠れるでしょうか? それとも……」

「さァ……捕まらないところを見ると、隠れてるんでしょうね」

「では、どんな風に隠れてるんでしょうか?……何ぶん危険な代物で、急ぎますので……」

すると博士は苦笑しながら、

「難問ですな。