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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

すると司法主任は、傍の松永博士とチラッと顔を見合わせて笑いながら、

「よし。じゃアその気狂いを、赤沢脳病院まで送り届けてくれ。穏やかに扱うんだぞ」

「ハァ」

警官が去ると、主任は博士と並んで、再び線路伝いに暗の中を歩きはじめた。

「いよいよ、判って来ましたな」

博士が云った。

「全く……」主任が大きく頷いた。「それにしても、いったいどこへ潜り込んだのでしょうナ」

あちらこちらの暗の中で、時々警官達の懐中電燈が、蛍のように点いては消え点いては消えした。

だが、十分と歩かない内に、突然前方の線路の上らしい闇の中から、懐中電燈が大きく弧を描いて、

「……ゥあーい……」

と叫び声が聞えて来た。

「どうしたーッ」司法主任が思わず声を張りあげた。

すると続いて向うの声が、

「主任ですかァ?……ここにおります。死んでおります!……」

こちらの二人は一目散に駈けだした。

間もなく警官の立っているところまで駈けつけると、主任はそこで、とうとう恐ろしい場面にぶつかってしまった。

線路の横にぶっ倒れた「トントン」は、恰度レールを枕にするようにしてその上へ頭をのっけていたらしいが、既にその頭は無惨にも、微塵に轢き砕かれて辺りの砂利の上へ飛び散っていた。