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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页
の屍骸を見やりながら、妙なことを云った。
「ところで、赤沢院長の屍体は、まだあの脳病院に置いてありますね?」
四
それから二十分程のち、松永博士は殆ど無理遣に司法主任を引張って、赤沢脳病院へやって来た。
夜の禿山では、雑木の梢が風にざわめき、どこかで頻りに梟が鳴いていた。
博士は、母屋で鳥山宇吉をとらえると、院長の屍体を見たい旨を申出た。
「ハイ、まだお許しがございませんので、お通夜も始めないでおります」
云いながら宇吉は、蝋燭に火をともして病舎のほうへ二人を案内して行った。
二号室の前を通ると、部屋の中から、帰って来た「歌姫」のソプラノが、今夜は流石に呟くような低音で聞えていた。三号室の前まで来ると、電気のついた磨硝子の引戸へ大きな影をのめらして、ガラッと細目に引戸を開けた「怪我人」が、いぶかしげな目つきで人々を見送った。四号室から先方は電気が廃燈になっているので、廊下も真暗だ。
宇吉は蝋燭の灯に影をゆらしながら、先に立って五号室へはいって行った。
「まだ棺が出来ませんので、こんなお姿でございます」
宇吉は云いながら、蝋燭を差出した。