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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页
そうした弱味を意識してかしないでか、英一は、まだ婚期にも達しない若い富子を、なにかと求め、追いまわすのだった。
むろん富子は、押山を毛虫のように嫌っていた。それで、英一がやって来ると、家庭教師のエヴァンスと二人で、落着きもなく別荘をあとにしたのだった。エヴァンスは、まだ富子が子供の頃から、堀見家と親しくしているアメリカ生れの老婦人だった。富子が女学校に這入る頃から、富子の家庭教師ともなって富子に英語を教えて来た。彼女は富子を、自分の娘のようにも、孫のようにも愛していた。
別荘には、留守番をする母娘の女中がいた。大月氏の慌しい電話を受けて、最初に深い眠りから醒されたのは母の方のキヨだった。
睡い眼をこすりながら電話口に立ったキヨは、相手の異様な言葉に驚かされて直ぐに戸外に出て見たのだが、車庫にあるべき筈の自動車がなく、表門が開け放されているのをみつけると、なんて物好きなお客さまだろうと思いながら、客室の扉を開けてみたのだが、開けてみてそこのベッドの横にパジャマのままの押山が、朱に染って倒れているのを見ると、そのまま電話口へ引返した。
大月氏への返事を済すと、キヨは直ぐに警察へ掛けた。