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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

B町の農蚕学校の温室でね――。土曜日の晩方に行けば、貴方達にだって売ってくれますよ。……さあ、出来上りました。六十銭頂きます。ヘイ」

と、そこで助役はすまし込んで花環を受取ると、代金を払って、そのままぷいと表へ出てしまいました。吉岡も早速助役の後に続いたんですが、門口を出しなにチラッと奥を見ると、あの感じの陰気なその癖妙に可愛らしい娘は、まだ相変らず顔だけ出して、表の方を覗いていました。

外へ出ると、助役達はもう十間程先を歩いています。で、吉岡は急いで追いつくと、その肩へ手を掛けながら、気色ばんで言いました。

「助役さん。あの親爺、とうとう毎土曜日の午後にB町へ行く事を白状したんですから、何故序に捕えちまわんです」

すると、

「吾々は検事じゃないんだからな」と助役が言いました。「――無暗に急るなよ。それに第一捕えるにしても、吾々は、どれだけ確固とした証拠を持っていると言うんだ。――成る程あの親爺は、確かに先夜君に追われた犯人に、九分九厘違いない。がしかし、いま捕えるよりも、もう二、三日待って今度の土曜日の真夜中に、例の場所で有無を言わさず現行犯を捕えた方がハッキリしてるじゃないか。