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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

大阪圭吉『とむらい機関車』。同一底本的分册已合并为一书。收入:とむらい機関車、死の快走船、気狂い機関車、闖入者、三狂人、白妖、あやつり裁判、銀座幽霊、動かぬ鯨群、寒の夜晴れ、坑鬼。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 页

青空文庫

「目星? そんなものならもうついています」

と係長は向直って、苛々しながら云った。

「この発火事件ですよ……一人の坑夫が、逃げ遅くれてこの発火坑へとじこめられたんです。気の毒ですが、むろん助けるわけにはいきません。ところが、その塗込作業に率先して働いたのが丸山技師です。その丸山技師がこの通り殺されたと云うんですから、目星もつくわけでしょう。いやハッキリ目星がつかなくたって、大体嫌疑の範囲が限定されて来る」

「そうだ。それに違いない」

監督が乗り出して云った。

会社直属の特務機関であり、最も忠実な利潤の走狗である監督は、表面現場の親玉である係長の次について働いてはいるが、しかしその点、技師上りの係長にも劣らぬ陰然たる勢力を持っているのであった。巡査は大きく頷いた。監督は続けた。

「それに、アカの他人でいまどきこんなおせっかいをする奴はないんだから……峯吉と云ったな? この採炭場の坑夫は」

事務員が頷くと、今度は係長が引取って云った。

「そいつの両親と、生き残った女を、事務所へ引張って来て置いてくれ。ああ、まだ女の兄と云うのがあったな? そいつも連れて来て置け」