轻松读懂日语经典作品
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
「講談倶楽部 春の臨時増刊号」大日本雄弁会講談社、1950(昭和25)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,977 字 · 47 页
上村との結婚に妹だけは反対した。もちろん誰も相手にしなかった。妹は信乃が上村へ来てからも反対の意志を変えぬふうで、頻繁に訪ねて来ながら、どうしても良平になずもうとしなかった。
――お義兄さまの眼は世の中を善悪の二つにしか区別できない眼だわ、喜びも悲しみも知らない、赦すことも人を愛することも知らない、冷たい、石のような眼だわ。
文代はしばしばむきになってそう云った。
――お義兄さまを見るとこっちがぞっとしてくるの、氷った石にでも触ったように、ぞうっと寒気立ってくるわ。
信乃は笑って聞きながすかごく軽くたしなめる程度であしらった。自分の心をみすかされないために、あなたにはなにもわかっていないのだ、そういう態度をとって来た。そうしてついには結婚の幸不幸について、説諭めいたことさえ云ってしまった。それに対して、妹はただひと言で答えた。
――お可哀そうなお姉さま。
かなり日が経ってからも、それを思いだすと信乃はぞっとした。体を縮め、かたく眼をつむって、息苦しさの余り喘ぐのであった。
十一月になってから、良平は城中で泊ることが多くなった。役所の仕事が多忙だそうで、――それは「むずかしい問題が起って」