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スポーツ・ぶんがく・せいじ
スポーツ・文学・政治
「近代文学 第四巻第一一号」1949(昭和24)年11月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,635 字 · 14 页
政治家になってしまって、昔の鋭さがなくなった。芸術家よりカチカチの党員だね。共産主義になって作品が変るのはヘンだ。どうも共産党に入ると芸術家でなくなる人が多いね。内田巌なんかそうだ。彼みたいなのは困るよ。党員の素質が悪いのはたんに末端だけじゃないね。
石川淳さんは、もし党員になったら、モノスゴイ善玉悪玉小説を書く、すべての資本家は悪玉で、労働者はことごとく善玉に書く、と云ってるそうだが、あの人は心にもないことを言う人でね、理想論をいう人で、あの人の作品はいつも現実とギャップがあるようだ。石川さんなんか右か左か、どちらかへ行く人なんだが、右へ行くね、徳川夢声みたいに。夢声は、ボクも好きで、非常にすぐれた面白い人物だが、たゞあんなに天皇が好きなのはどうも解せない。この点、石川淳さんは天皇制打倒で、どうして終戦後ひと思いに天皇を処刑しなかったかと云っている。石川達三のほうは天皇退位論なんだ。天皇に戦争責任があるから退位しろと云う。天皇に責任があるなんて馬鹿なことはないと思うんだ。責任があると言えば、天皇制を第一に認めることになるじゃないか。ボクは天皇制そのものがなくならなきゃいかんと思っている。