轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちっぽけなおの

チッポケな斧

坂口 安吾

「新潮 第四八巻第八号」1951(昭和26)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,233 字 · 21 页

青空文庫

そのツムジマガリがなければ、社会の進歩も改良もないね。

警察予備隊の編成、再軍備の声につれて、右翼や旧軍閥の暗躍、天皇制支持者の大言壮語が大いに復活しはじめましたね。

敗戦の廃墟から立ち上ろうというドサクサだから、多くの混乱もあろうし、道義のすたれたところもあろう。道義を高めることは重大な仕事であるが、現在の低下を理由として戦前の秩序や制度を合理としそこへ復帰しようというのは安直すぎるね。その安直さは現在の道義の低下よりも更に甚しく悪質な思想の低下、良心や誠実さの低下といえよう。

道義の低下もいわば敗戦の傷だ。その傷を咎めるよりも、その元兇たる敗戦の要素、古い日本の負うていた悪因習や悪制度に最大の思いを致すべきであろう。戦後の思考はすべてそこから追求されはじめるのが当然であるが、その当然なことが誠実になされたフシはほとんど見られない。安きにつきたいのは一般庶民の常であり、不馴れなものや、特に今までよりも自分に不利らしい変化に反撥して昔をなつかしむのも一般庶民の常であるが、政治や国法の運営に当る者が、旧習の禍根について誠実な追求を怠り、安きについてはこまる。