轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
トコヨゴヨミ
トコヨゴヨミ
田山 花袋
「早稲田文学」1914(大正3)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,449 字 · 38 页
」
勇吉は声を顫わして言った。
「何うも仕方がないんですよ。」刑事も流石に気の毒そうな顔をして笑って言ったが、其処に積んである印刷物を見て、「何です、それは?」
勇吉はそれを一枚取って渡した。刑事はヤマダトコヨゴヨミなどと読んでいた。暦だということだけはわかるが、トコヨゴヨミとは何ういう暦だか刑事はよくわからなかった。刑事は勇吉の顔をジロジロ見ていたが、「何です、これは?」
勇吉はお前なぞにはわかるもんかと言うような顔をして得意そうにその仕かけを話して聞かせた。
「はアそうですか、これは成ほど面白いな。」こんなことを言って大正三年の処をくるくる廻して、「これで来年一年の七曜が出るんですな、これは面白い。」刑事はこう言ってまた今年の処を廻して見た。
「一つ差上げましょう。」
「そうですか。」といって、「イヤ何アに、買いますよ。」
勇吉が呉々も頼むと、「私は疑っても何もいやしないですけれどもな、職務ですからな、しかし長い中には、段々様子を見て、帳面を消すことになっているんですから……私の方だって用の少い方が好いんだから。」後には刑事も打解けてこんなことを言った。