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マルクスしゅぎとゆいぶつろん

マルクス主義と唯物論

三木 清

「思想」1927(昭和2)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页

青空文庫

労働こそ実に具体的なる唯物論を構成する根源である。

* Feuerbach, Wider den Dualismus von Leib und Seele etc., ※(ローマ数字2、1-13-22), 340.

** Op. cit., ※(ローマ数字2、1-13-22), 345.

労働はその一層具体的なる規定において生産である。しかるに近代的なる生産はその様式において特に社会的である。マルクスは『経済学批判』の序説の首めにいっている、「社会において生産しつつある人々が――したがって人々の社会的に規定された生産が言うまでもなく出発点である。スミスやリカアドがそれをもって始めるところの、個々の孤立的な猟夫や漁夫は、十八世紀の想像力なき空想に属する。」我々の研究は現実には存在せぬ一個の抽象体であるロビンソンをもって始むべきでなく、社会において生産しつつある人間を出発点とすべきである。人間は彼ら相互に一定の関係に入り込むことなくしては生産し得ない。彼らは彼らの活動を相互に交換してのみ生産する。社会的である限り、私はいつまでも単に私としてとどまることが出来ない。