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マルクスしゅぎとゆいぶつろん

マルクス主義と唯物論

三木 清

「思想」1927(昭和2)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页

青空文庫

言葉こそ社会において唯一の現実的なる意識である。人間を歴史的社会的存在として考察したマルクスはいっている、「言葉は意識とともに古い、――言葉は実践的なる、他の人間に対しても存在する、したがって私自身にとっても存在する、現実的なる意識である。そして言葉は、意識と同じく、他の人間との交通の欲望と必要とから初めて、生ずる*。」ここでは運動する空気の層、音、簡単に言えば言葉の形式において現われる物質と結合した精神が意識と考えられたのである。物質を呪う「純粋なる」意識は実践的であることが出来ない。我々はフォイエルバッハにおいても同じような思想を見出すことが出来る、「人間は人間に話すという器官を通じて彼の最も内面的な思想、感情、欲望をみずから進んで伝達する。ところでこの感性的に言い表わされた本質から区別されて、魂、内面、本質そのものは一体何であるのか**。」

* Marx-Engels Archiv, ※(ローマ数字1、1-13-21). Bd., S 247.

** Feuerbach, Wider den Dualismus von Leib und Seele etc., ※(ローマ数字2、1-13-22), 343.