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マルクスしゅぎとゆいぶつろん
マルクス主義と唯物論
三木 清
「思想」1927(昭和2)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页
マルクスはこのことを次のごとき明瞭な言葉をもって言い現わしている、「有産階級と無産者の階級とは同一の人間的自己疎外を現わす。しかし第一の階級はこの自己疎外において幸福さと確実さを感じ、この疎外を彼自身の力として知り、そしてそれにおいて人間的存在の仮象を所有する。第二のものはこの疎外において否定されたのを感じ、それにおいて彼の無力と非人間的存在の現実性を見る。」彼はさらに我々に語る、「一切の人間性からの、人間性の仮象からさえもの抽象は、発達したプロレタリアートにおいて実践的に完成されているが故に、プロレタリアートの生活条件のうちに、今の社会のすべての生活条件はそれの最も非人間的頂点において総括されているが故に、人間はプロレタリアートにおいて自己自身を亡失しており、しかしながら同時にこの亡失の理論的意識を獲たのみならず、またもはや拒むべからざる、もはや掩うべからざる、絶対的に命令するところの窮迫に――必然性の実践的表現に――よって直接的に、この非人間性に対する叛逆にまで余儀なくされているが故に、それ故にプロレタリアートは自己を解放し得るし、また解放せざるを得ぬ*。