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「ラジオおうごんじだい」のていちょう
「ラジオ黄金時代」の底潮
宮本 百合子
「唯物論研究」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,621 字 · 11 页
これらのことももとより原因のいくつかをなしているであろうが、現実の事情はこういう文化の積極面からだけ、ラジオの聴取者を増大させているであろうか。私は、極めて平凡な日常の常識から、ラジオ聴取者増大の傾向を、もうすこし深く具体的に観察して見たいと思うのである。
先ず、中央放送局の昭和十一年度の職業別統計によると、新たな加入者の筆頭を占めるのは商業であり、
商業 三七%六
公務 ┐
├ 三〇%
自由業┘
無業 八%二
農業 一二%二
という順になっている。同じ時の統計で、廃止したものの職業別で見ると、
商業 三七%四
公務 ┐
├ 三〇%九
自由業┘
無業 一〇%八
農業 九%九
つまり、同職業の家庭を比べて見ると、真の増加率はそう大して多くないし、或る部分でははっきり減って来ている。
商業に従う者で〇%二増大していること、恐らく恩給や利潤による生活者であろう無業が二%六減を示していること等は、或る意味で跛行景気を反映し、更に雄弁に昨今の物価騰貴が、無職生活者を脅している有様があらわれているのである。