轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
醜い一寸法師だった。彼は注意深くあたりを見廻してから不具者にも似合わぬす早さで、大木の幹をよじ登り、枝から枝を伝わって、生茂った葉の中に見えなくなった。彼の手は、短い足の不足を補って、軽業師の様に自由自在に動いた。丁度猿の木登りといった恰好だった。
「燃える燃える。風がねえけれど、この分じゃあ十軒は確だ」
梢から悪魔の呪い声が、でも辺を憚かって、殆ど聞きとれぬ程に響いて来た。
火は公園から西に当って、十町程の手近に見えた。半鐘の音、蒸汽ポンプのサイレンの響が、活動街の上を越して伝わって来た。それに混って時々樹上の畸形児の狂喜のうなりが聞えた。
やがてハタハタと忍びやかな、然しあわただしい跫音がして、二人の汚ない少年が塔のうしろへ駈込んで来た。
「あれは、お前達がやっつけたのか」
「そうよ」こもの問に応じて一人の少年が気競って答えた。「うまく行きやあがった。風はねえけれど十軒は大丈夫だぜ」
その声を聞きつけたのか、大樹の葉がガサガサ鳴って、サルの様な畸形児が地上に飛び降りた。
「うまくやったな。定公、己あ又一寸見物と出かけるからな。ソラこれを餓鬼共に分けてやってくんな」