轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日<br>「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月21日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,475 字 · 194 页
つまり、犯人は外にあるのです。お嬢さんの死体の一部を公衆の面前にさらけ出している奴は、犯人ではなくて、そういう驚くべき手段によって、別に本当の犯人を脅迫しているのです。何かためにする処があって、非常手段を採っているのです。そんな風には考えられないでしょうか」
山野夫人はその時、ハッと顔を上げて明智を見た。二人は無言のまま、じっとにらみ合った。お互にお互の胸の奥まで突通す様な、恐しい眼光を取交した。が、次の瞬間には、山野夫人はテーブルに顔を伏せて、はげしく泣き出していた。圧えても圧さえても、胸を刺す甲高い声が、袖をもれた。彼女の小さい肩が烈しく波打った。なげ出した白い首筋におくれ毛がもつれて、なまめかしくふるえた。
そこへドアが開いて、書生が入って来た。彼はその場のただならぬ様子を見ると、そのまま引返し相にしたが、思い返してテーブルの方へ近づいて来た。彼も何か非常に興奮している様子だった。
「奥様」彼はおずおずと夫人を呼びかけた。「大変な物が参りました」
夫人はやっと涙を圧えて、顔を上げた。
「ただ今、こんな小包が参りました」
書生は持っていた細長い木箱をテーブルの上に置いて、チラと明智の方を見た。