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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

「どうして」

「どうしてって――このあいだ広田先生の所でそんな話がありましたから」

「まだきまりません。ことによると、そうなるかもしれませんけれど」

三四郎は少しく要領を得た。

「野々宮さんはもとから里見さんと御懇意なんですか」

「ええ。お友だちなの」

男と女の友だちという意味かしらと思ったが、なんだかおかしい。けれども三四郎はそれ以上を聞きえなかった。

「広田先生は野々宮さんのもとの先生だそうですね」

「ええ」

話は「ええ」でつかえた。

「あなたは里見さんの所へいらっしゃるほうがいいんですか」

「私? そうね。でも美禰子さんのお兄いさんにお気の毒ですから」

「美禰子さんのにいさんがあるんですか」

「ええ。うちの兄と同年の卒業なんです」

「やっぱり理学士ですか」

「いいえ、科は違います。法学士です。そのまた上の兄さんが広田先生のお友だちだったのですけれども、早くおなくなりになって、今では恭助さんだけなんです」

「おとっさんやおっかさんは」

よし子は少し笑いながら、

「ないわ」と言った。美禰子の父母の存在を想像するのは滑稽であるといわぬばかりである。よほど早く死んだものとみえる。