轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あるくこと

三好十郎の仕事 第三巻

三好 十郎

三好十郎『三好十郎の仕事 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:歩くこと、鈴が通る、破れわらじ、廃墟(一幕)、猿の図、その人を知らず、冒した者、抵抗のよりどころ、アメリカ人に問う、「廃墟」について、「その人を知らず」について、日記より、「冒した者」について。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,472 字 · 667 页

青空文庫

「廃墟」について

敗戦後一年ぐらいたってから書いたもので、この巻の三作品の中では最も古い。

敗戦の年の八月十五日、天皇の放送があると言うので、――それが大体どんな意味の放送であるかは、すこし前にわかっていたが――家族を疎開させて自分一人で暮していた、ガランとした自宅の座敷のラジオの前に坐った。間もなく放送がはじまった。天皇の言葉はハッキリせず、聞きとれた所も意味が不明瞭であった。ただわかったのは日本が敗れ、降服したという事だけであった。聞いているうちに、自分にも思いがけず、急に泣きだしていた。悲しいと言うような気持では全くない。腹立たしいと言うのでもない。自分がどんな感情のために泣いているのかわからない。もちろん感傷的になっているためでもない。ただむやみに泣けて、しまいに声を出していた。それまでのすべての事が終り、次ぎにどんな事が始まるのか全くわからない。始まるとすれば、何か今までとは縁もゆかりも無い妙な事が始まる。しかしそれがどんな事やら、まるでわからないし、わかりたくもない。……強いて言えば、そういう気がしながら、子供が泣くように泣いていた。

後々まで、その時自分があんなに泣いた事が、自然と言えば非常に自然なことのような気がしながら、どうも不思議でしかたがなかった。