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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
在线阅读風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 页
そして、そのような文化上の開花期が日本列島の上におとずれたのは、飛鳥朝から大化改新を中にして近江朝へかけての頃であったのである。
今から一千三百年前におこなわれた大化改新が、明治維新にまさるとも劣らぬ大維新であったことは、諸君も夙に熟知しておられるところであろう。明治維新を境として、欧洲文明がしきりに移植されたように、大化改新を境として、支那文明の輸入がにわかに活溌となった。これら二つのいずれの場合にも共通な点は、外交の触手がふれ合うようになった先進国の文明を取り入れて、自分を補強し変貌することが、その先進国を相手にまわしながら毅く自分を生かすために、是非必要のことだったのであるが、そうした文化工作が形の上でも質の上でも成果を見せるには、彼土の文明を大した矛盾なしに同化しうるくらいに、こちらの生活が成熟していなければならなかった。明治維新の日本はまさにその通りであった。そして大化改新の日本もほぼその通りであったのである。
ただ一つ彼と此とで違った点が見られるのは、文字上の問題であった。明治維新の後も、英語を以て国語としようというような論が、一時行われたことはあったにしても、ついにそのことは実現せず、羅馬字運動も明治十年代に早く生じていながら実を結ばず、まして日本詩壇の一方に英語詩や独逸語詩が場所を占めて