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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
在线阅读風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 页
授ける方には最高の文化伝統は我が手にあるといった満足がある。このことが和歌自体を芸術であることから転じて、宗教のごときものにする。伝統を承けることに神の御託宣を承けるようなところがあらわれてくる。以ての外のことのようで事実だったのである。伝授ということが、祭典となり、神秘化される地盤は早くも成熟しているのであった。もうそうなると、歌は芸術でないばかりか、数寄風流ですらない。それは唯京都文化の分け前に与っているという自己満足の具となったのである。成り上り者の生活の装飾である。もちろん現代にだって、これと同じ関係において芸術と称するものを巧みに操っている芸人と、それを身の飾りに承けて満悦の都人士はいくらもあるばかりでなく、ますます増加しているかも知れない。私どもは中世を馬鹿にすることは出来ない。現代はもっと中世的かも知れないからである。
今川了俊が為尹をたすけて冷泉流乃至京極流のために論戦これつとめた熱意の泉は、当時の公卿の中からは湧き出なかったものと私は推測している。正徹の一徹と尭孝の高くとまった強情とも、同じように公家の間のものではない。そして、正徹・尭孝の両師を比較品評した上で、個人の才分よりは一層おしの利く二条流の格式に惚れて、尭孝の門弟となり、そのあとをついだのが、当時としては小大名の東常縁、それから